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【ミラノ〜サンレモ】カノラが20位、内間も無事ゴール  初出場のNIPPO・ヴィーニファンティーニが大健闘

2017年03月20日


3月18日(土曜日)にイタリアにて第108回目の開催となる「ミラノ〜サンレモ(UCI1.ワールドツアー)」が開催されました。世界的にも高い知名度を誇る伝統あるクラシックレースで、ミラノからフランス国境に近いサンレモまで、東京〜愛知間に相当する291kmでレースが行われました。平坦基調ですが、中盤にトゥルキーノ峠を越え、リグーリア海沿いに出るとアップダウンが増え、終盤に勝負のキーとなる登坂区間チプレッサ(距離5.65km/最大勾配9%)とポッジオ(距離3.7km/最大勾配8%)が組み込まれています。


NIPPO・ヴィーニファンティーニは今年初めてワイルドカードによる出場権を獲得。また今大会直前に開催された、UCIワールドツアーである7日間の「ティレーノ〜アドリアティコ」を走破した二人の日本人選手、内間康平と中根英登も出場メンバー入りし、ともに初出場を果たしました。

レースはスタートと同時に、アラン・マランゴーニを含む8選手の逃げが決まり、その後、2選手が追いつき、10名のやや大きな先頭集団が形成されました。しかし、スプリンター擁する主要チームがメイン集団をコントロールし、タイム差は5分ほどに押さえられながら、レースは進んでいきました。

穏やかな晴天のもとでスタートしましたが、中盤のトゥルキーノ峠では暗い雲が空を覆い、冷たい強風が吹きつけ、体感気温は10度を下回る厳しいコンディションとなりました。そしてスタート後から頭痛等の体調不良を訴えていた中根は峠の手前に設定された1つ目の補給地点でリタイアとなりました。

峠を越えて海岸線へ出ると天候は回復し、終盤に差し掛かるに連れてメイン集団は速度を速め、ゴールまで21.5km地点のチプレッサで逃げていた選手たちは完全に集団に吸収されました。

ゴールが近づくにつれて、いくつものアタックがかかり、200名ほどのメイン集団はどんどん小さくなっていき、ゴールまで5.4kmのポッジオで世界チャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が決定的なアタックを仕掛け、それにジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ)とミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)が追随。吸収してスプリントに持ち込みたいチームが必死の追い上げを見せるも、逃げ切りの展開に持ち込みたいサガンが得意の下りで加速。結果として3選手が集団に5秒の差をつける形で先行し、クウィアトコウスキーが僅差のスプリントを制しました。優勝タイムは7時間8分39秒でした。

そして50名ほどの精鋭に絞られたメイン集団は4位以下の争いとなり、マルコ・カノラが20位でフィニッシュ。同集団ではイウリィ・フィロージもゴールしており、格上チームを相手にした世界のトップレースで上出来といえる成績を残しました。

内間は、チームの仕事をこなしながら、残り38.4km地点の登坂区間カポベルタで遅れ、17分22秒差の最後尾集団、194位で初めての名門クラシックレースを走り終えました。


内間康平のコメント
逃げに乗ることをチームオーダーとして受けたが、乗れず。最後まで走りきることを目標に切り替えて走った。もちろんチームメイトのために働き、風避けになりながらの目標だ。とにかくできる限りのことをして、ラスト40kmでメイングループから脱落。そこからも諦めず走り続けて、トップからかなり遅れたが完走した。

出し切った。 数字で言うと七時間半、長いレース時間だが、あっという間だった。そして、すごく気持ち良かった。

レース会場には日本人のレースファンも駆けつけていただき、それがすごく力になった。もちろん日本から応援してくれる皆さんも! 応援ありがとうございました!


中根英登のコメント
今日はチームから誰か逃げに乗っていくことが最重要任務。自分もその1人だったので、ちょっと早めにスタートラインへ並んだ。200人前後の選手が走るため、逃げを狙うなら最前列にいるメリットは大きい。朝までは気合い充分、調子もバッチリだった。

スタートしてマランゴーニが力技で逃げを決めに行った!自分も反応できるポジションだったが、他の選手を引き連れてしまったがために、集団と繋げてしまったら水の泡になってしまうので我慢。10人の逃げが決まる。 それからはチームメイトの近くを走る。

しかし、スタートしてまだ30kmくらいしか走ってないとこから激しい頭痛に襲われる。我慢しながら、集団内でなるべく自分が彼らの風避けとなるようなポジションを意識して走った。集団の速度も速くないので、チームメイトの防寒アイテムを受け取ってチームカーに戻したり、ボトル運んだりしながら走行。だんだん寒気にも襲われ耐えれなくなってきて、たまらずイヴァンと監督に報告。最初の補給地点(135km地点)で自転車を降りることになってしまった。

このレースに選抜され、走らせてもらえたのに、このような形で終えてしまったのは言葉にできないほど残念でたまらない。チームやチームメイトに申し訳ない。身体も気持ちもリセットし、次のレースでしっかり良い走りができるように調整していきたい。

大門宏監督のコメント
シーズン前半戦は息をつく余裕もなく、これからもイタリア、ベルギー、台湾、タイとレースが目白押しだが、春季のスケジュールの山場とも言えるUCIワールドツアー連戦を終えた。

内間や中根は、昨年まで国内、アジアのコンチネンタルレベルで戦ってきたため、この世界クラスのレースでは、自身の成長をチームにアピールすることは難しかった。しかしながら、ティレーノ〜アドリアティコでの内間の150kmにおよぶハイアベレージのロングエスケープ、後半の勝負どころで火を付けた中根の勇敢なアタックはイタリアでの評価も高く、日本人選手の存在感を少しは発揮できたと思う。

現場でじっさいに見ていると、日本人選手が明らかにレベル差のある大会に挑戦することが強くなるための正攻法なのか? と自問自答する場面を目の当たりにすることがある。

自分が培った経験から、このレベルに参戦することができるチーム環境を作ることができたわけだが、それがはたして、日本人選手の育成に直結しているのだろうか? スポンサーの理解やイタリア人とのパートナーシップにより、三大ツール(ジロ・デ・イタリア)に参加するまで、チーム体制を成長させることができた。ただ、けっして自分の欲求を満たすためにプロコンチネンタルチームをコーディネイトしたわけではなく、いつも日本人選手の育成や環境の向上をスポンサーとともに考えてきた。日本人選手が環境に噛み合っていくことが課題だ。

カザフスタンやオーストラリア、イギリス、フランス、ロシア、ベネルクスのチームなどは、自国の選手の底上げのためにチームを運営し、そこからトップ選手を輩出する環境を作り上げている。彼らが日本人選手を雇用する理由はない。だからこそ、日本のスポンサーのもと、日本人による日本人選手のためのチーム運営には意味があると考えている。

さらには、日本人選手は世界レベルに必死に挑戦し、散々悔しい思いをしている。彼らの勇敢に挑戦する姿はプロスポーツマンとして尊いものあり、それを見ていると、自分の葛藤が和らぎ、引き続き見守っていきたいと再認識させられる。努力し続ける彼らを、これからも日本の皆さまに関心をもって応援していただきたいと願っている。

●リザルト
1 KWIATKOWSKI Michal Team Sky 7:08:39
2 SAGAN Peter Bora – Hansgrohe
3 ALAPHILIPPE Julian Quick-Step Floors
20 CANOLA Marco NIPPO – Vini Fantini +0:05
33 FILOSI Iuri NIPPO – Vini Fantini
71 GROSU Eduard Michael NIPPO – Vini Fantini +3:52
79 SANTAROMITA Ivan NIPPO – Vini Fantini +3:55
86 DE NEGRI Pier Paolo NIPPO – Vini Fantini
155 MARANGONI Alan NIPPO – Vini Fantini  +8:34
194 UCHIMA Kohei NIPPO – Vini Fantini +17:22
DNF NAKANE Hideto NIPPO – Vini Fantini


●NIPPO・ヴィーニファンティーニ 出場選手
内間 康平
中根 英登
アラン・マランゴーニ(イタリア)
イヴァン・サンタロミータ(イタリア)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)
マルコ・カノラ(イタリア)
エドゥアルド・グロス(ルーマニア)
イウリィ・フィロージ(イタリア)
監督:マリオ・マンゾーニ

●レース情報
Milano – Sanremo(ミラノ〜サンレモ)
開催期間/2017年3月18日(土曜日)
カテゴリー/1. UCIワールドツアー
開催国/イタリア(日本との時差 マイナス8時間)
スタート〜フィニッシュ/ミラノ〜サンレモ 291km

公式サイト/ http://www.milanosanremo.it/
公式フェイスブック/ https://www.facebook.com/misanremo/
公式ツイッター/ https://twitter.com/Milano_Sanremo
ハッシュタグ/#MSR


イラスト、MAP (C) RCS Sport