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【ブエルタ・ア・ブルゴス/第5ステージ】欧州プロレース初参戦、西村大輝が超級山岳での最終ステージを走破

2017年08月06日

5日間の超級ステージレース「ブエルタ・ア・ブルゴス」の最終日となる第5ステージが8月5日、Comunero de RevengaからLagunas de Neilaまでの136kmで開催されました。この直後に始まるブエルタ・ア・エスパーニャの前哨戦とも言われる今大会、最終日も3つの3級山岳を超えて超級山岳でフィニッシュと、最後まで厳しい山岳ステージが設定されました。

序盤よりレースはハイペースで進み、14名の先頭集団が形成されましたが、最後の超級山岳で崩壊。区間優勝と総合成績をかけたトップクライマーたちの戦いとなりました。

今大会序盤のステージで好調さをみせたニコラ・バジョーリやピエールパオロ・デネグリでしたが、暑さもあり後退。代わりに19歳のスペイン人トレーニー・ジョアン・ボウが粘りの走りをみせてチーム内最高位となる45位でフィニッシュしました。

体調不良を訴えていた小林海はスタートを切ったものの途中リタイア。ヨーロッパのプロレース初参戦となる西村大輝は終始ハイペースな展開に苦しんだものの最後の11km続く超級山岳を走りきり、トップから17分05秒差でフィニッシュ。極限まで苦しみながらも5日間におよぶ超級ステージレースを走破し、次に繋がる大事なステップを踏みました。

●リザルト
第5ステージ

1 LÓPEZ Miguel Ángel Astana Pro Team 3:11:42
2 MAS Enric Quick-Step Floors +0:05
3 LANDA Mikel Team Sky +0:11
45 BOU Joan NIPPO – Vini Fantini +5:32
50 BISOLTI Alessandro NIPPO – Vini Fantini +6:02
112 DE NEGRI Pier Paolo NIPPO – Vini Fantini +16:11
113 BAGIOLI Nicola NIPPO – Vini Fantini
114 FILOSI Iuri NIPPO – Vini Fantini
120 NISHIMURA Hiroki NIPPO – Vini Fantini +17:05
DNF KOBAYASHI Marino NIPPO – Vini Fantini

個人総合成績
1 LANDA Mikel Team Sky 18:12:47
2 MAS Enric Quick-Step Floors +0:40
3 DE LA CRUZ David Quick-Step Floors +0:46
35 BISOLTI Alessandro NIPPO – Vini Fantini +13:41
64 BOU Joan NIPPO – Vini Fantini +26:20
87 DE NEGRI Pier Paolo NIPPO – Vini Fantini +33:42
102 FILOSI Iuri NIPPO – Vini Fantini +39:41
109 NISHIMURA Hiroki NIPPO – Vini Fantini +47:08
111 BAGIOLI Nicola NIPPO – Vini Fantini +47:37


小林海のコメント
ゲチョから数えるとレース6日目の第5ステージ。
第4ステージで脚を休ませたので、自分自身でも期待していたステージ。
しかし、前日の夜中から体調不良で寝れず、嘔吐下痢…
やはり第3ステージで体調を崩したダメージはあったのだろう。

朝食もほとんど採れず、DNSする予定だったが、
スタート30分前にやっぱりスタートすることを決めてスタート。
地元スペインのレースだし、応援に来てくれた人も沢山いるので辞めたくない。
しかも、自分がこれから競技人生を続けていくなかで
絶対にこのようなことはあるはずなので、しっかり走り切っておきたかった。
とても辛いが無心でレースに食らいつくが、80km地点で降りる。
体調悪い日が一番レースのペースが速い日だった。

正直またレースをDNFするとは思っていなかったので、
回収車の中では粘って走り続けている選手達を見ながらイライラしていた。
脚自体の疲労感も少ないし、レースをしていても自分が昨シーズンよりも脚がついてきていて、
楽にレースできているのも実感しているが、
あと少しの場面でハンガーノックやら体調不良やらで台無しになっているのが本当に悔しい。
特にブルゴスという自分にとっては特別で、大好きなレースではなおさら。

実力は付いてきているはずなのに、上手くいかず、プロならではの移動の多さや、
レースの厳しさでコンディショニングや体調維持に苦労し、
ここまで厳しいプロ1年目を送っている。
頭では難しい1年になるだろうと思っていたが、やはり体感するのは違う。
…などなど、自分の出発地点だからこそ、たくさんのことを考えさせられたレースだった。

シーズンも残りわずか。
早くレース結果で良い思いをしたいので、変わらず集中して毎日を精一杯やります。
ガンバリヤス!💪🏿💪🏿💪🏿


西村大輝のコメント
第5ステージを終えた。
今日は3級山岳を三つ越えた後に超級山岳を上って山頂ゴールというステージだった。
最後から二つ目の山岳で集団から遅れ、そこからは完走のみを目指してゴールまで走った。
今日は一日中とにかく風が強かったため、スタート直後から遅れを取るまでの間、
一瞬たりとも心拍が落ち着くことはなかった。
スペインというと上りというイメージだが、今大会が開催されている地域は、
山々に加え強風でも有名な地域らしく、シマノ加入一年目の遠征で行ったオランダのように、
至る所に風力発電の機械が設置されていた。
チームメイトからチームカーに補給を取りに行くように指示が出た時は、
補給を取りに行ってから集団に戻ってこれるか不安なレベルだった。
ボトル運びだけで大袈裟な、と思うかもしれないが、ウェアにボトルを詰め込んで
集団に戻った時には心の底から「あぁ、戻れて良かった」と思った。
国内で走っている選手の大半は、海外のレースで山岳だけではなく、
平坦でも風が吹けば苦しめられると思うが、僕も例に漏れず滅茶苦茶に苦しめられた。
特に現在の体重が54キロ程までに落ちている僕にとっては、
ヨーロッパのHCカテゴリーの横風は、
「試練」という言葉よりも「拷問」という言葉が相応しい程だった。
自ら踏みやめることや諦めるという選択肢は一切なかったが、
こんなに苦しいことなら落車にでも巻き込まれて怪我をして集団から遅れた方がマシだ、
という考えが何度も何度も頭を駆け巡るほど、尋常ではない苦しみ方だった。
タイムアウトにならずに完走は果たしたが、今大会の目標としていた逃げに関しては、
乗ることは愚か、全ステージを通して、
アタック合戦の際に集団後方にしがみついて行くことで精一杯だった。
ここでは世界との差をこれでもかという位に見せつけられる毎日だったが、
逆に言うとこれほどまでに僕のチャレンジャー精神を掻き立てられる環境もここにしかない。

次戦は中4日で8月10日から13日までノルウェーの北極圏で行われる
ASO主催のHCカテゴリーのステージレース。 しっかりと休んで次戦も全力で挑戦する。

ヴァレリオ・テバルディ監督のコメント
今回のレースはコースプロフィール、エントリメンバーもレベルが非常に高かった。
特に連日のチームスカイの他の寄せ付けないハイアベレージでのコントロールには、
今回ブエルタ・ア・エスパーニャを狙うスペイン人を入れた布陣で臨んでいた
クイックステップのブラマーティ監督も舌を巻いていた。
大門マネージャーからも西村をトレーニーに抜擢した経緯や最近の実績も聞いていたが、
ヨーロッパのエリートクラスを初めて走ったとは思えないほど、良く頑張ったと思う。
イタリア語も思うように話せないなか、ハイスピードの集団内で
チームメイトとコミュニケーションをとりながら走ることは決して簡単なことではない。
このレベルでは「ボトル運び」一つとっても誰でもできることではなく経験がすごく大事。
それはヒロキだけに言えることじゃなく、今回参加していたワールドツアーの新人、
プロコンチネンタルチームの選手全員にとっても当てはまること。
ヒロキにとっては何から何まで初体験だったようだが、
そんな中で最後まで走り切ったことを正直大変驚いている。
まだまだ学ばなくてはならないことも多いが、
来週のノルウェーのレースでも色々なミッションを教えながら、
彼が持つクオリティ、キャパシティ、将来性を見極めていきたいと思う。


●NIPPOヴィーニファンティーニ 出場選手
小林海
西村大輝(※トレーニー)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア)
アレッサンドロ・ビソルティ(イタリア)
イウリィ・フィロージ(イタリア)
ニコラ・バジョーリ(イタリア)
ジョアン・ボウ(スペイン ※トレーニー)
監督:ヴァレリオ・テバルディ、ステファノ・ガルゼッリ

●レース情報
Vuelta a Burgos(ブエルタ・ア・ブルゴス)
開催期間/2017年ヨーロッパツアー2.HC
開催国/スペイン(日本との時差7時間)

公式サイト  www.vueltaburgos.com/
ツイッター www.twitter.com/vueltaaburgos
ハッシュタグ #VueltaBurgos