ABOUT ROAD RACE

ヨーロッパではサッカーに並んで人気のあるスポーツ「自転車ロードレース」。
日本でもロードレースの関心が年々高まっています。
ここでは、ロードレースのビギナーに向けて、レース展開や見どころを大門監督にご紹介頂きました。
長距離マラソンに近いものがあります。
自転車という機材を使って、時には下り坂を時速80キロに達する猛スピードで駆け下ります。
上り坂・下り坂といった高低差、道の広さ・狭さ、炎天下や風雨など、さまざまな自然環境・気象条件を相手にゴールを目指す、まさに「鉄人レース」です。レースによっては、1日に200kmの距離や、高低差3000mの山岳コースを走破することもあり、消費するカロリーも半端でないものがあります。

さらに、120人ほどが一斉に走り、チームごとに激しい駆け引きが繰り広げられたり、接触や落車の危険性もある、サバイバルなスポーツといえます。
日本では野球やサッカーの人気が高く、プロの球団やチームがあるように、ヨーロッパで「ロードレース」といえば、サッカーに比肩する人気の高い国民的スポーツです。
イタリア1周レースの「ジロ・デ・イタリア」(毎年5月)や、「ブエルタ・ア・エスパーニャ」(毎年8~9月)は、数多く開催されているレース中でも最高峰の大会ですが、中でも、フランス全土を駆け巡る「ツール・ド・フランス」(毎年7月)は、約3週間をかけて、アルプス山脈を越え、パリ・シャンゼリゼ通りをゴールとする、レーサーにとって憧れの舞台となっています。

日本では、プロの実業団チームが国内の各種レースに出場している他、子供からお年寄りまで幅広い世代がアマチュアとして市民レースに参加しています。なお、第1回のオリンピックから種目になっています。

選手の他、監督やスタッフ(メカニック、マッサージャー)などで構成されます。
1つのレースに出場する選手は、日本国内のレースだと5・6人、ツール・ド・フランスといった大規模なレースになると10人くらいと、レースの規模に応じて異なります。
ヨーロッパやアメリカにはサッカー同様、女性だけのチームも存在しています。プロのチームは、自転車競技の国際統括団体である「UCI」(国際自転車競技連合)に登録しています。
上位から「ワールドツアーチーム」「プロコンチネンタルチーム」「コンチネンタルチーム」にカテゴリー分けされています。また、世界各地で開催されているレースは、カテゴリーごとに参加できるチームが決まっています。
「ジロ・デ・イタリア」「ツール・ド・フランス」などは、トップのカテゴリーのチーム「ワールドツアーチーム」でないと出場できません。
ワールドツアーチーム=18チーム
ツール・ド・フランス等ワールドツアーに参加義務プロコンチネンタルチーム=19チーム
ツール・ド・フランス等ワールドツアーにワイルドカードで出場可能コンチネンタルチーム=全世界で約170チーム
ツール・ド・フランスに出場不可
——–ここまでUCIの管轄——–
ナショナルチーム=多数
毎年1月から11月頃にかけて、多数のレースが開催され、年間を通じた獲得ポイントを競い合います。
一般に、レースの格式に応じて獲得できるポイントが異なるため、より格式のあるレースで、より好成績を残した方が有利です。
また、著名なレースほど、賞金の獲得金額も高くなる他、メディア等への露出も多くなり、翌年のスポンサー獲得や契約条件の見直しなど、選手にとってもチームにとってもメリットが多く、選手のほとんどは「ツール・ド・フランス」や「ジロ・デ・イタリア」など著名なレースで走ることを目標の1つに掲げています。
プロの選手としての最終的な目標は、サッカーのワールドカップのように、世界最高峰の舞台で戦うことだといえますね。
主に4つの種類があります。・ワンデイレース: 1日で勝負するレース。
・ステージレース: 数日間~数週間をかけて、トータルでの合計タイムが少ない選手が「総合優勝」に輝くレース。
・クリテリウム: 1周数kmの比較的短いコースを周回し、指定周回毎に設定されたポイントの総合得点を競うレース。
・タイムトライアル: 個人またはチームが順番に出走し、タイムを競うレース。
タイムトライアル専用に設計されたバイクもある。特にロードレースの花形が「ステージレース」で、「ツール・ド・フランス」や「ツール・ド・北海道」が該当します。
ステージレースでは、各ステージの個人優勝以外にも、さまざまな賞が設けられています。
山岳コースのポイントを一番最初に通過した選手に与えられる「山岳賞」、平地のポイントを最初に通過すると与えられる「ポイント賞」などで、ポイント獲得の上積みを目指します。
その結果、例えば、個人総合優勝が最高100ポイント、ステージ優勝60ポイント、ポイント賞・山岳賞40ポイントというように加算されます。ステージレースで、最も名誉あるのが「個人総合」で、全日程を通じて最もポイントの高い選手に贈られるものです。
ロードレースは、駅伝のように、一人ひとりが「たすき」をつないでゴールするわけではありません。
一方、フルマラソンのように、所属チームの誰もが優勝を目指して走るというわけではありません。
1人の選手「エース」を勝たせるために、チームがそれぞれの役割に応じて「アシスト」するというのが、他のスポーツにはない特長です。1人の優勝はチームのみんなで勝ち取った優勝です。
そのため、役割に応じたチームプレーを果たせるかどうかが、選手に一番求められます。それゆえ、選手には役割に応じて「脚質(きゃくしつ)」という得意分野を有しています。・スプリンター: 陸上の短距離のような脚質をもち、主に平坦なコースで活躍する選手
・ヒルクライマー: 起伏の激しい山岳コースに持ち味を発揮する選手
・TTスペシャリスト: 高い能力を長時間にわたって継続する能力の高い選手
・オールラウンダー: 上記のキャラクターを平均的に兼ね備えている選手脚質に応じて、レースごとに「エース」「アシスト」の役割に分け、作戦を立てて勝負に臨みます。アシストの役割は幅広く、その1つの大事な役割は「風よけ」です。
自転車競技の最大の敵は風圧です。
自転車の走行では、先頭だと風圧の抵抗を強く受け、その分消耗が激しくなります。

アシストが順番に先頭に立って、すぐ後ろを走るエースの消耗を減らしたり、集団のペースのコントロールを担います。
また、アシストは他のチームを牽制したり、飲料や補給食を提供したり、自転車機材を手渡したり、レースカーに乗った監督との伝令役になったりと、エースを勝たせるためにさまざまな役割を果たします。エースの優勝のため、どのようにチームがレースを展開させているかが、ロードレースの見どころに一つです。

陸上やサッカー、野球と一緒で、各地域にクラブチームがある他、レーシングチームの部活がある高校もあり、若い選手がインターハイ出場を目指して、日々トレーニングしています。プロになるには、特にプロテストのような制度はなく、高校や大学などでのインターハイなどで好成績を残して、プロチームの監督やスカウトマンから声を掛けられることが近道です。

プロに所属後は、1年ごとの契約が多いため、成績重視です。とはいえ、個人として優勝回数が多いことが大事というよりも、名アシストを務めるなど、チームとして最適な選手かどうかがポイントになります。

レースのスケジュールがない期間はトレーニングに励みます。
チームのメンバーが揃って行うこともありますが、個人単位でのトレーニングも活発です。中には、自宅の近くに住んでいる他のチームの選手とトレーニングすることも見受けられます。

レース会場で応援するならば、やはりゴール前が一番の醍醐味です。また、上り坂はスピードがゆっくりになるため、より選手の表情を間近で見ることができるので、観戦ポイントとしては打ってつけです。他のスポーツでは、上位の結果を残した選手が優秀というのが一般的ですが、自転車競技は「エース」「アシスト」の役割がありますので、むしろ、エースの優勝はアシストを含むチーム全員の優勝といえますから、エースがより好成績を上げられるように懸命に走っている、アシストの活躍ぶりにぜひ注目してください。