PRESS RELEASE

初山翔、現役引退のお知らせ

2019年12月01日

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネに所属する初山翔が今シーズンをもって現役引退を決意しました。現在31歳の初山は、U23時代をイタリアのアマチュアチームで過ごし、その後国内コンチネンタルチームでプロデビュー。2016年には伊豆大島で開催された全日本選手権ロードレースを制し、全日本チャンピオンに輝きました。そして、2018シーズンにイタリア籍のUCIプロコンチネンタルチームであるNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニに移籍し、再び活動の舞台をヨーロッパへと移しました。

2018シーズンは、初めて出場するイタリアの名門クラシック・ミラノ〜サンレモ(UCIワールドツアー)で250kmにわたる距離を逃げ続け、その後のティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)でも逃げに乗るなど、世界のトップレースで活躍を続けます。

今シーズンも序盤よりヨーロッパのトップレースを転戦し、5月には世界三大ツールの一つ、ジロ・デ・イタリアへ出場すると、第3ステージでは単独で144kmに渡り逃げ、世界最高峰の舞台でイタリアをはじめ全世界から大きな注目を集めました。その後、チームの区間優勝にも貢献しながら、3週間の過酷なレースを走破。個人総合成績最下位での完走でしたが、初山の力走に敬意を表して、大会側からマリアネーラ(現在は非公式、かつて存在した最下位の選手に贈られる黒色のジャージ)を贈呈されるシーンもありました。

欧州トップレースで健闘を続け、今後の活躍も期待されるなかでの現役引退となりましたが、これまで支えていただいた皆さまへの感謝と「幸せな競技人生だった」という気持ちのもと、新しいステップへと進みます。

初山翔のコメント

まずこのような時期まで皆様へのご報告が遅れたこと、大変申し訳なく思っております。来季の活動について皆様にお尋ねいただいたとき、うやむやな回答しかできずにとても心苦しかったです。ご容赦ください。しかし急遽決めたことではなく、時間をかけながら考え、決断したことです。ですので、とても前向きな気持ちでこのタイミングを迎え入れることができました。

特にこの2年間は選手を目指したときからの目標であった欧州プロチームの一員として活動することができました。幸せな選手生活であったと心から思っております。皆様のおかげです。到底ひとりではたどり着けない大舞台をいくつも経験させていただきました。今までご支援、ご声援いただいたすべての皆様に心から御礼申し上げます。また今後もサイクルスポーツは趣味として続けていければと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。

初山翔 略歴

1988年8月17日生まれ(31歳)、神奈川県出身
U23時代をイタリアのアマチュアチームで過ごし、2011年に宇都宮ブリッツェンでプロデビュー。逃げや山岳を得意とするオールラウンダーで積極的な走りが持ち味。UCI通算3勝(UCIレース)。

2011年 宇都宮ブリッツェン(日本、コンチネンタルチーム)加入
2013年 ブリヂストンアンカー(日本、コンチネンタルチーム)加入
ツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)優勝
2016年 全日本選手権ロードレース エリートカテゴリー優勝
2017年 ツアー・オブ・ジャパン(UCIアジアツアー2.1)山岳賞獲得
2018年 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ
(イタリア、プロコンチネンタルチーム)加入

大門宏マネージャーのコメント

初山には「これからが人生の本場!これからも勇気を忘れず、覚悟して挑戦し続けろ」と言いたい。近年では、宮澤崇史、福島晋一、橋川健(NIPPOの出身選手ではなかったが)、ならびに日本人選手の成長に多大な貢献をしてくれたイタリア人ら外国籍選手の引退を割と近くで見届けた。初山も決して彼らに引けを取らないチャンピオンの1人。今後どのような道に進むにせよ、これからも自分の好きなことに没頭し続けて、人間としてさらに成長してほしい願っている。人生においては、選手としての“引退”よりもっともっと価値のある“節目”があるからだ。

昔から世界のトップレベルで挑戦させたくてもさせられなかった選手が多くいるなかで、10代後半から日本代表として、またイタリアのクラブチームで過ごしていた初山を、最後の2年間、この“奇跡的なチーム環境”で走らせることができて、本当にラッキーだったと思っている。ラッキーと言うのは単に運が良いと言うのは意味ではない。その真意は初山自身が誰よりも一番感じてるはずだ。

だからこそ、このレベルで走り続ける可能性をギリギリまで追い求めていたと思う。彼はプロのレースにおいてコミュニケーション能力も全く問題ないある意味“人気者”だったので、ステップアップの意味も込めてワールドチームを含む他のプロチームを本人と探したが、芳しい回答は得られなかった。プロチーム以上で走る続けることはヨーロッパ人にとっても物凄く厳しい世界だ。

余談だが、今回ワールドチームの現役監督、代理人にも初山の件を相談した。口々に言われたことは、「フランスでもベルギーでも自国の選手を最優先に選手を集める。日本人なら日本人選手に関心を持つNIPPOのような日本のスポンサーが現れない限り、たとえ実力があったとしてもヨーロッパのチームが契約する理由がない」だった。フランスのワールドチーム、プロチームの選手も約半数はまずフランス人だからと言う理由で契約できており、選手自身だって解ってる。それはフランスのスポンサーにとっても当然のこと。

そう言う“当たり前の事情”は、もう20年以上現地で聞き飽きているが、改めて日本のスポンサーの存在意義を痛感させられた。ヨーロッパのロードレース界を支えているスポンサーのように、企業の威信を掛けて本気で(10代後半からの育成を含めて)ワールドクラスで活躍する日本人選手に関心を抱くパトロンが日本にも求められている。チーム、選手側から“探す”と言うレベルではなく、かつて浅田監督(エキップアサダ)に惚れ込んで、スポンサーを自ら名乗り出た梅丹本舗の松本氏のように積極的に手を挙げる日本のスポンサーが現れない限り、今後このカテゴリーで日本人選手の発掘、強化に携わっていくのは無理だと断言したい。それは、決して我々(NIPPO)のサブスポンサー、または取って代わるスポンサーを求めてる、と言う意味ではなく、ヨーロッパの知人からの助言にもあるように“自国”のスポンサーが、世界中のレースを舞台に色々なチームに分散し、若手からベテランまで、それぞれのカラーで切磋琢磨できる環境が構築されていくことが理想だ。

RESULT

【ジャパンカップサイクルロードレース】中根英登 と 水谷監督のインサイドレポート公開!

2019年10月29日

10月20日に開催されたジャパンカップサイクルロードレース。年々、レベルが上がるアジア最高峰のワンディレースで、アジア人選手最高位の6位に入った中根英登と、数年ぶりにジャパンカップを指揮した水谷監督のレポートを公開!

中根英登のレポート
今年のジャパンカップは今までで初めてと言ってもいいくらいワールドチームが本気。 1週間前にロンバルディアが開催されていたので彼らの調子は良い事は容易に想像できたが、自分も約1週間前のピエモンテが良い調子だったので自信を持ってスタートした。

ワールドチームの有力選手たちが形成した最初の逃げにマルコが入ってくれた。 そのまま逃げ切りもおかしくないようなメンバー。 メイン集団では伊藤さん、石上、初山さんが常にサポートしてくれてストレスを最小限に距離を消化。 ラスト5周からレースが動き始めて毎周回古賀志の登りでペースが上がっていたが、ラスト5周4周は伊藤さんが本当に良い位置に連れて行ってくれたおかげで問題なく集団前方でクリア。

ラスト2周でモレマとウッズが飛び出したのに反応したかったが、脚が攣っていて付いていけずに数十メートルの距離を保つのが精一杯。 下りでも追いつけずに4名でラスト周回へ。 ずっと脚が攣っていて古賀志の登りで3人から少し遅れてしまったが、ゴールまでラスト1kmのとこで何とか復帰。 しかしもう完全に売り切れ状態でスプリントに絡む事が出来ずに6位に沈んでしまった。

このチームでの最後のレース。日本人選手が多いメンバー編成だったが、みんなで3年間厳しいヨーロッパのレースで鍛える事ができたからこそ危険なタイミングでも上手く対応できた。 チームメイトが僕を信頼してくれた事、自分が在籍した3年間の思いとファンの方々からの沢山の応援、沢山の気持ちがゴールまで自分の背中を押してくれた。 トップ3に入れずに本当に残念だったが、ヨーロッパのレース同等の展開と厳しさの中でNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの日本人選手が強くなった事とチーム力の高さを出せたと思う。 3年間、最高のチームメイトとスタッフと共に仕事ができて感謝の気持ちでいっぱい。 ジャパンカップクリテとロードレース本戦、共に沢山の応援して頂きありがとうごさいました!!!


水谷監督のレポート
ワールドチーム中心の逃げが形成されるというこれまでとは違う展開で始まった今年のジャパンカップ。 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネとしては、もちろん優勝を目指して挑んだ。メンバー的にも強力で優勝経験のあるカノラ、秋のイタリアでの連戦で調子の良い中根、アジアツアーで連勝のザック、若手で一番登坂力のある石上、中根と一番息の合う伊藤、そして常にコンディションが安定している初山との参戦。

今回の大まかな作戦としては今まで通りの流れで、エースを中根一本に絞り、前半の危ない逃げや人数の多い逃げには気を付け、そして最後のスピードアップではチーム一丸となり中根をサポートしてトップグループに送り込む作戦。 しかし、今年のジャパンカップは例年とまったく違ったレース展開であった。完全に海外チームと国内チームの立場が逆になり、前半から逃げに選手を送り込めなかった国内チーム勢が脚を使わなくてはいけない苦しい展開になり、ある意味興味深いレースだった。特にワールドチーム勢とカノラが入った逃げは、逃げ切るかと思うほど強力であったが、しかし日本勢の団結力と逃げに乗せれなかった海外勢との協和で追走に成功した事には驚きもある。この大会では常にメイン集団が有利なんだと、、。

もちろんNIPPOとしては完全に有利な展開になり、逃げに入ったカノラのおかげでメイン集団で脚を使わずにしっかり最後の戦いに挑める事ができ、最終局面ではチームメイト全員が作戦通りに中根を勝負所に送り込み、最終ラップで世界トップクラスの強豪と戦い6位と言う素晴らし成績を残す事になった。ある意味、これはNIPPOとしての最低条件の成績でもあり、チーム全員の経験と実績がなければ出せない結果だったはず。 やはり日頃から、こういったハイレベルのレースを欧州で転戦しているからこそ展開的に有利に進められたのだと確信している。

この大会で最終的にシーズンオフとなりましたが、この一年一緒に戦ってきた選手、そして常にチームを支えてくれたスタッフ共々、そして常に応援を絶えないファンの皆様に対し感謝の気持ちで一杯です。そして来季も私の気持ちは常に上を目指していますので、どうぞ宜しくお願いします。

RESULT

【ジャパンカップサイクルロードレース】チーム最終戦、中根英登が全身全霊の走りをみせてアジア人最高位の6位でゴール!

2019年10月25日

10月20日、栃木県の宇都宮森林公園にて、チームにとって今季最終戦となるジャパンカップサイクルロードレース(UCIアジアツアー1.HC)が開催されました。アジアでは唯一の超級にカテゴライズされるワンディレースで、シーズンの最終盤ということもあり、今年はツール・ド・フランスなどトップレースで活躍するUCIワールドチームが5チーム参戦。世界のトップスター選手の走りを見に、今年も大勢の観客たちが会場に集まりました。

この試合をもって解散となるNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは、好調な中根英登をエースとした作戦でスタート。序盤からワールドチームを含む有力チームが選手を送り込む8名の逃げが形成されましたが、そこにしっかりと2017年大会の優勝者であるマルコ・カノラが入ります。

このまま逃げ切る展開もあり得るような強力な先頭集団でしたが、レースが後半に差し掛かるとメイン集団もペースアップが図られ、先鋭たちに絞られたメイン集団が3周回を残して逃げをキャッチ。いよいよレースが動き始めます。チームは日本人メンバーの献身的走りにより、勝負どころを前に中根英登をメイン集団に送り込むことに成功します。

ユンボ・ヴィスマが組織的に動いていくものの、最終周回で先頭は優勝候補のバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)とマイケル・ウッズ(EFエデュケーションズ)に絞られます。中根は古賀志林道の登りで一度後退するものの、3年間で培った確かな実力を示すかのように、残り数キロ地点で3名で構成された3位以下の第2グループに単独で合流。中根の限界を超えた闘志あふれる走りに会場が沸きます。

「全身が攣っていた」と振り返る中根は、3位を決めるスプリント勝負に加わることはできず、アジア人選手最高位となる6位でフィニッシュ。表彰台に届かなかった悔しさを口にしましたが、誰の目にも例年以上のハイレベルな戦いであったことは明らか。単独で追い付いた中根の気迫あふれる走り、そしてそのなかでの6位という成績に賞賛が送られました。


中根英登のコメント
「ラスト1周はもう限界を超えて、気力で走っていた。最後は表彰台も見えていたけど、全身が攣っていて、とてもスプリントをかけることはできなかった。このジャージで、このメンバーで走るのは今回で最後だったので、最低でも表彰台をめざしていたが、それができず悔しい。チームとしては、最初から逃げにマルコが載っていたので、良い形が取れていた。そのまま逃げ切っても良い状態だったけど、そうならなかったときのために、チームメートが自分を守ってくれ、最後の勝負所まで温存することができた。

僕のためにみんなアシストしてくれていたので、簡単には諦められない。エースを任されたからには、死ぬ気で前についていかないといけないという責任感があった。みんなに背中を押してもらったという気持ち。

ワールドツアーの速度や勝負の厳しさ、タイミング、位置どりについては、ヨーロッパのレースを経験し、鍛えさせてもらっていたので自分たちはよくわかっていた。このチームにいて、みんなで成長できた証だと思う。

シーズン最初、コロンビアやアルゼンチンで良いスタートが切れたけど、シーズン中盤は病気やケガで沈んでしまった。焦る気持ちが大きかったけど、シーズンの最後に調子の良さを取り戻すことができてホッとしている。落ち着いた気持ちでオフシーズンに入り、また来季頑張りたい」


📑 リザルト

1  MOLLEMA Bauke  Trek – Segafredo  3:41:13
2  WOODS Michael  EF Education First  +0:01
3  SMITH Dion  Mitchelton-Scott   0:44
4  MANCEBO Francisco  Matrix Powertag 100 50 ,,
5  KUSS Sepp  Team Jumbo-Visma 85 45 ,,
6  NAKANE Hideto  Nippo Vini Fantini Faizanè 70
7  POWLESS Neilson  Team Jumbo-Visma 60 35 2:09
8  GESINK Robert  Team Jumbo-Visma
34  ITO Masakazu  Nippo Vini Fantini Faizanè 3 10:01
35  ISHIGAMI Masahiro  Nippo Vini Fantini Faizanè 3 ,,
38  HATSUYAMA Sho  Nippo Vini Fantini Faizanè 3 10:29
DNF  ZACCANTI Filippo  Nippo Vini Fantini Faizanè –
DNF  CANOLA Marco  Nippo Vini Fantini Faizanè

 

📷 写真ギャラリー