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【ブエルタ・ア・サンフアン/第6ステージ】窪木一茂が果敢にエスケープ!

2017年01月29日

第6ステージは、当初185kmの平坦ステージでしたが、48℃にも達する酷暑のため、レーススタート後に距離が、168.1kmに短縮されました。

そして、今日は10名の逃げが決まり、そこに窪木一茂も加わりました。その逃げがしだいに人数を減らし、最終的には3名と4名のグループに分かれ、前の3名の逃げがゴールまで逃げ切り、過去にチームNIPPOに所属していた母国アルゼンチンのマキシミリアーノ・リケーゼ(クイックステップフロアーズ)が優勝しました。

窪木を含む4名の第2グループは、終盤にメイン集団に吸収され、4位以下は集団スプリントとなり、ニコラス・マリーニが区間9位でゴールしました。

逃げ切りをめざした窪木にとっては残念な結果となりましたが、優勝したリケーゼの走りなどから学ぶことは多く、貴重な経験を積んだステージになりました。

明日、第7ステージは今大会最終日となり、距離は138.2kmと短い平坦ステージで、マリーニのゴールスプリントを狙うには絶好のコースレイアウトです。最後まで勝利を目指して、NIPPO・ヴィーニファンティーニは戦い続けます!


窪木一茂のレポート
今日は今大会で1番の暑さだった。スタート前から気温が40度。今日の最高気温は50度に達した。距離は185kmの予定だったが、結果的に暑さが影響してUCIコミッセールの判断により途中から距離が短縮となり、距離は168kmになった。

じつは昨夜、監督のマリオが部屋に来て「明日は逃げろ」と指示があった。レース前のミーティングでは、アレドンド、窪木、サンタロミータがアタックすること。フルガス(全力)で行け、と。そして、かなり暑くなるから小まめに水分補給をすることアドバイスがあった。

アレドンドが僕をスタート前に呼んで、少しアップして前に並ぼうと誘ってきた。しかし、僕が思うにアップしてるに入らない程度のアップだった。そして2人で一番前に並んでスタートを切った。アレドンドはスペイン語も、イタリア語も話せるし、みんなから顔が知れてるのでとても心強かった。

800mのパレード走行のあと、レースがスタート。レース開始後、約20分くらいで逃げが決まる。スタート前にあまりアップをしていない中、スタート後20分、アタック、アタック、というシチュエーションで僕はかなり辛く、高強度トレーニングのようだった。とどめはリケーゼ選手がかなり踏んで、逃げのメンバーも一列棒状となり速かった。こうして逃げが形成された。

しばらく経過しても、タイム差は40秒前後で推移。1時間くらい経過してようやく、2分差。最初の1時間はかなりペースが速くて、平均時速50kmオーバーくらいだったと記憶している。10人でかなり速いペースでのローテーションだった。

逃げが容認され、最大タイム差が4分40秒まで開いてからは、逃げのペースも少し落ち着いて42km/h前後だっと思う。今日も常に風との戦いだった。序盤は追い風、中盤は横風と向かい風、終盤は向かい風と追い風。

10人の逃げができて、約100km地点の補給所を過ぎてから、ローテーションがなぜか回らなくなった。僕は集団のローテーションを回そうと振舞っていた。すると、クイックステップのリケーゼ選手が風を利用して道路右側から思いっきりアタックし、ほかの2選手が追走。

僕は左側にいたために反応が遅れたが、追走を開始。約1分で追いつくと決め、思いっきり右端により追いかけだが差が縮まらず。3人が逃げ始める。当たり前だが脚がかなりキツかった。ローテーションが回らなくなったので、一番脚があるであろうリケーゼ選手が、脚がある選手とゴールまで逃げるために集団内でシャッフルにかけたのだ。

逃げができてから、どこかでシャッフルがあるだろうと僕は思っていた。よくトラックレースのポイントレースなどでも同じことがある。終わってから振り返ると、あのローテーションが回らなくなった時に、少し油断していたとしか思えません。まだゴールまで80kmもあると思い込んでいたのだと思う。甘かった。

スタートしてから、もう少し三味線弾いて脚をもっと溜めておけば、精神的にも余裕が持てて、もしかもしたら、アタックに反応できたかもしれない。いまさらだが、とても勉強になった。もっとトレーニングしなきゃいけない。リケーゼ選手とは逃げている時に言葉を交わしていたが、もっと彼に注視していたらレース展開が変わったと思った。

リケーゼ選手のアタックでシャッフルされ、3人が逃げる展開となり、僕を含む4人が追走開始。47〜49km/hでローテーションしていたが、差が縮まらない。50分は追いかけたと思う。僕も約60秒もがいた直後だったのでかなりきつかったが、ギリギリ踏ん張り、追走する。タイム差が1分30秒を推移しても、僕ら4人は45km/h以上で前を追った。しかし、結局150km地点を過ぎても3人は捕まらず。

ゴールまで30km残して異変が起きた。僕の鼻から鼻血が出てきた。おそらく暑さの影響からだと思う。今日はたくさんボトルを要求した。福井メカニックいつもありがとう。コミッセールを呼んで走りながら対応してもらい、ガーゼで鼻を塞いで再びローテーションを回る。その後、監督のマリオがメイン集団を離れ、補給を渡しに僕らの第2集団に上がってきてくれた。

「KUBOKI!猛暑のために距離が短くなった。残り15kmで2分20秒差。逃げ切れる、GO!!!!」

聞き返したが、間違いない。他の4人も監督のマリオから距離変更の話を聞いてもう一度ペースを上げる。残り7kmを切ってアルゼンチンの選手が単独アタックをかけ、僕だけが追走した。残り3km付近でメイン集団に吸収され、今日のレース終了。

マリーニが4位以下の集団スプリントで9位に入った。レース後は一緒に逃げていたメンバーを探し、今日はお疲れさまと言ったニュアンスの言葉を交わした後、チームバスヘ戻った。

今日は、逃げている時からリケーゼ選手を見ながら勉強していた。ローテーションの時もしっかり踏めていたのは彼だし、有名で強いのは皆わかっているので、明らかに今日は勝つべくしてレースを支配して勝利したのだと感じた。素晴らしかった。最初の逃げを一番引き寄せたのも彼だと思うし、途中のメンバーシャッフルも彼の技、そして最後は得意のスプリントでステージ優勝。理想的な展開だと思った。

2013年のツール・ド・北海道で僕が総合3位になった時、彼は総合1位でした。僕の中で今日のレースは感慨深いものだった。あのアタックに反応して3、4人で逃げていたらと考えると悔しい。小集団スプリントしたかった。表彰台に立ちたかった。

今日は監督のマリオがチャンスを与えてくれた日で、僕自身のリザルトを残せた日だったと思った。160km逃げることは誰でもできるが、そこで着に絡めなきゃ意味はない。しっかり今日の反省を次に活かしたい。

参考までに一部レースデータ、GRIMINによる測定。距離168km、タイム3時間50分、平均時速44.14km、平均パワー255w、平均心拍数160bpm。

明日は最終ステージです。チームの目標はステージ優勝。連日の疲れはあるが、ステージ優勝のために動き、力を出し切ってレースをフィニッシュしたい。


マリオ・マンゾーニ監督のコメント
48度という暑さのため、距離が短縮されたステージでした。今日の指示は、サンタロミータ、アレドンド、窪木は逃げに乗るのもフリーというもので、正しい(決まった)10名の逃げに乗った窪木の走りをとても高く評価しています。暑さもあり、数名の選手が脱落し、最終的に逃げ集団は3名と4名に分かれ、残念ながら窪木は後者のグループとなり、結果的に3名の逃げが逃げ切る形となり、後ろのグループは残り3km地点で集団に吸収されました。

4位グループでのゴールスプリントに挑んだマリーニは、残り350mからスプリントを開始。この距離はマリーニにとって、ちょっと長いもので、残り50mで少し遅れてしまい、9位という結果でした。

今日のステージでは、窪木の走りを高く評価しています。3名の優勝争いに加われなかったことは残念でしたが、とても強かったですし、逃げのなかでも良いモラルをもって走っていました。

 

●リザルト
第6ステージ 区間成績
1 RICHEZE Ariel Maximiliano Quick-Step Floors 3:48:47
2 TROIA Oliviero UAE Abu Dhabi
3 TIVANI German Nicolas Unieuro Trevigiani – Hemus 1896
9 MARINI Nicolas NIPPO – Vini Fantini +0:52
42 STACCHIOTTI Riccardo NIPPO – Vini Fantini
66 ARREDONDOJulián DavidNIPPO – Vini Fantini
96 SANTAROMITA Ivan NIPPO – Vini Fantini
116 KUBOKI Kazushige NIPPO – Vini Fantini +1:14

個人総合成績
1 MOLLEMA Bauke Trek – Segafredo 18:02:09
2 SEVILLA Oscar Medellin – Inder +0:14
3 TORRES Rodolfo Andres Androni Giocattoli – Sidermec +0:16
26 SANTAROMITA Ivan NIPPO – Vini Fantini +4:19
49 ARREDONDO Julián David NIPPO – Vini Fantini +8:47
67 KUBOKI Kazushige NIPPO – Vini Fantini +14:58
98 STACCHIOTTI Riccardo NIPPO – Vini Fantini +24:03
99 MARINI Nicolas NIPPO – Vini Fantini +25:09

●NIPPO・ヴィーニファンティーニ 出場選手
窪木 一茂(日本)
ダミアーノ・クネゴ(イタリア)※第4ステージでリタイア
ジュリアン・アレドンド(コロンビア)
ニコラス・マリーニ(イタリア)
リカルド・スタッキオッティ(イタリア)
イヴァン・サンタロミータ(イタリア)
監督:マリオ・マンゾーニ(イタリア)

●レース情報
35th Vuelta Ciclista a la Provincia de San Juan(ブエルタ・ア・サンフアン)
開催期間/2017年1月23日〜29日(全7ステージ)
カテゴリー/UCIアメリカツアー2.1
開催国/アルゼンチン(日本との時差 マイナス12時間)

公式サイト/ http://vueltaasanjuan.org
公式ツイッター/ @vueltasanjuanok   公式フェイスブック/ vueltaasanjuanok

第1ステージ 1月23日 San Juan › San Juan (142.5km/平坦ステージ)
第2ステージ 1月24日 San Juan › San Juan (128.8km/平坦ステージ)
第3ステージ 1月25日 San Juan › San Juan (11.9km/個人タイムトライアル)
第4ステージ 1月26日 San Martín › San Martín (160.5km/平坦ステージ)
第5ステージ 1月27日 Chimbas › Alto Colorado (162.4km/山岳ステージ)
第6ステージ 1月28日 Pocito › Pocito (185.7km/平坦ステージ)
第7ステージ 1月29日 San Juan › San Juan (138.2km/平坦ステージ)