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【ツアー・オブ・ジャパン】大門宏監督が振り返る、収穫の多かった8日間のレース

2017年06月02日

今年はチームの総合力を示すことを目標に掲げていたが、南信州ステージまでの内容を見るかぎりイタリア人選手と日本人選手の動き、判断、フォーメーションがじつに良く噛み合っていた。特にいなべと南信州ステージの歯車が噛み合ったプレーは多くのレースファンを魅了し、心に刻み込まれたことだと思う。今大会を通じて、日本人選手の成長が評価されたことは、今後を見据える意味でも大きな収穫となった。

特に窪木には今大会のミッションとしてチームメイト5名にとって必要なアシストをポイント、ポイントで確実に遂行することを求めていたのだが、自身の役割を良く自覚していた。ピンポイントで勝利に導くアシストのテクニックは簡単ではない。失敗と反省を繰り返してこそ習得できる技術なのだ。圧倒的に失敗する可能性も多いことを自覚しながら、経験を積み重ねることが大切。経験の浅い本人にはまだまだ疑問点や迷いもあると思うが、今回の経験は大きな収穫になったことだろう。窪木が目指すべき理想形 “登りも耐えられるスプリンター” のカノラからも大きな刺激を受けたと思う。

チームのミッションとして唯一心残りだったのが富士山ステージだった。もちろん個人総合リーダージャージを失ったことを残念がってるわけではないし、いまさらコースプロフィールに対して不満を感じてるわけではない。

イタリア人メンバーは “初登頂” だったので「アーすれば良かった、コーすればあと30秒から60秒はタイムを縮められた」と反省するのはわかるが、中根はある意味コースを知り尽くしており、また今シーズンの好調振りを加味してももう少しやれた、と思った。案の定、本人も富士山でのタイムには憮然としていた。富士山を除くステージでは明らかにパワーアップしたプレーができていただけに悔いが残ったのだろう。

富士山ステージは勝てないまでも、スペシャリストとのタイム差をいかに抑えるかが課題となる。サンタロミータもカノラも、今後、再びチャレンジする機会に恵まれたときのために、反省を生かすべく、しっかり対策を考えてるようだった。カノラは、体重70kgを超えてる典型的なオールラウンダーでスプリンターの体型だ。「自分向きじゃない。こんなコース設定ヨーロッパにはないからアホらしい、忘れたい」と考えていても不思議じゃないが、彼は悔しさを滲み出して、レース後に戦法、対策、彼なりの持論を唱えていたのは意外だった。今回彼に帯同し、自分自身も多くのことを学んだが、こういう彼の探究心、レースと真剣に向き合う姿勢に大物の片鱗を感じた。彼の勇気の正当性は、我々の日本人選手だけに留まらず多くの日本人に刺激を与えたに違いない。

伊藤の南信州ステージでの大ケガはチームと言うより本人にとって、本当に悔やまれるアクシデントであった。春から成長が著しくチームメイトとも信頼関係も築き上げられていたため、レースも終わった今はスポンサー、チームメイト、チームスタッフも心から復活を心待ちにする声が多く、温かく見守る雰囲気を幸いに感じている。

環境も大きく変わった1年目の彼にとって今シーズンは期待以上に不安も大きかったと思う。残念ながらこの世界は、誰もが「明日は我が身…」を避けられないことを自覚しなければならないある意味ツラい世界。トレーニングに誠心誠意打ち込むのと同じように、ケガと向き合い治すミッションも彼に課せられた使命だが、気持ちのうえでもリフレッシュして笑顔で胸を張って復帰してくれることを願っている。

最後に、今シーズンはチームがプロコンチネンタルへ昇格してから3年目にして、初めてのジロへの招待が得られないシーズンとなった。イタリアンワインのファルネーゼ社をはじめスポンサー運営陣も落胆の色が非常に濃く、雰囲気が暗い時期が続いた。自分はワイルドカードの定義を冷静に理解しているが、イタリア人のチーム関係者の間では、素直に受け止める雰囲気が皆無だったことには驚かされた。ジロへの参加も目標に掲げるチーム、スポンサーにとって、勝敗に関わらずジロへの熱い思いは特別なんだと実感した。

ジロに出場しないことで、レーススケジュールも大きく変わったのだが “成長” を第1目標に掲げる日本人メンバーにとっては、皮肉なことにイタリア人のベテランから学ぶ機会が一層増える結果となった。ジロの参加が決まっていたならジロに参加したであろうカノラや日本人選手のツアー・オブ・ジャパンでの活躍、積極的な姿勢を見て、改めて真の意味で “勝負、優勝争いに参加すること” の重要性を実感させられた。勝てると信じて挑戦するのと、ダメ元で挑戦する姿勢は全然違う。

誤解を恐れずに言うなら、たとえジロに参加できたとしても、ファンが注目する主役はあくまでもワールドチームのスター選手であり、ワイルドカードで参加する我々は “オマケ” でしかない。エスケープするか? テレビにどれだけ映るか? 完走するか? 上位に食い込むか? これらの “ワイルドカードで参加するチームの価値観” は、一般メディアでの報道で扱われることはほとんどない。自己満足的にチームからのリリースでしか独自の価値観を伝えられないのが現状だ。決してワイルドカードでのジロへの参加を真っ向から否定している訳ではないが、プロスポーツは勝負に参加してこそ学ぶことも多く意味があると実感した。

中根も昨年の山本と比べても実力的にジロに参加すれば、チームからもオーダー次第で完走くらいは果たせたと思うが、今回ツアー・オブ・ジャパンで実力を発揮できたことは反省材料を含めて、“ステップアップ” の視点から評価するなら、ジロで完走すること以上の価値があったに違いない。グランツールとツアー・オブ・ジャパンでは、世間からの関心度は明らかに違うが、周囲の評価に惑わされてはならない。問題は本人が今回の経験を将来にどう繋げるか? だろう。

今回、個性をいかんなく発揮したカノラは「ツアー・オブ・ジャパン(ジロではなく)に参加したことで得られた経験は、掛け替えのない自信になった」と語っていた。選手にとって一番の揮発剤は勝つこと。勝つことで得られる “自信” はアスリートを大きく成長させる。たとえレベルは低くても、勝つことでチーム(勝った選手と導いたチームメイト)は大きく躍進を遂げるのだ。

カノラには新たに発見した自身の実力をいかんなく発揮し、グランツールで勝利を重ねるような選手になって欲しいと心から願っているし、そういった彼の活躍、出世が、日本人選手の自信にも繋がりツアー・オブ・ジャパンの評価、価値そのものを高めることにも繋がると感じた。

そして、今回はこれまで以上に多くのファン、NIPPO社員やその家族の方々に会場で絶大な声援を頂いた。様々な立場で熱く応援して頂いたファンの 皆さまの前で期待に応え、3回勝てた意義は非常に大きかったと思う。

謹んで連日会場にお越し頂いた多くのファンの皆様にお礼を申し上げたい。引き続き、ヨーロッパの人々と連携を推し進めながら、日本人が成長するうえでさらに良い環境を目指していきたい。より多くの才能ある日本人にチャンスを与えていくためにも、チームを大きくしていくことはわれわれにとって緊急課題。1人でも多くのファンに応援していただけるチーム作りを心がけていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

●NIPPOヴィーニファンティーニ 出場選手
窪木一茂
中根英登

アラン・マランゴーニ
イヴァン・サンタロミータ
マルコ・カノラ
伊藤雅和  ※第5ステージでリタイア
監督:大門 宏

出場選手の経歴詳細はホームページをご覧ください。
http://teamnippo.jp/team/

●レース情報
NTN presents 20th Tour of Japan(NTN presents 第20回ツアー・オブ・ジャパン)
開催期間/2017年5月21日(日曜日)〜28日(日曜日)
カテゴリー/UCIアジアツアー 2.1
開催国/日本

公式サイト http://www.toj.co.jp/2017/
ツイッター  https://twitter.com/tourofjapan
フェイスブック https://www.facebook.com/tourofjapan/
ハッシュタグ #TOJ2017

5月21日(日)第1ステージ【堺】2.65km 個人タイムトライアル
5月22日(月)第2ステージ【京都】105km
5月23日(火)第3ステージ【いなべ】127km
5月24日(水)第4ステージ【美濃】139.4km
5月25日(木)第5ステージ【南信州】123.6km
5月26日(金)第6ステージ【富士山】11.4km ヒルクライム
5月27日(土)第7ステージ【伊豆】122km
5月28日(日)第8ステージ【東京】112.7km
総走行距離  743.75km  総獲得標高12,291m

OTHER

伊藤雅和、右大腿骨骨折の手術が無事に終了

2017年05月26日

5月25日に長野県飯田市で開催されたツアー・オブ・ジャパン第5ステージ【南信州】にて、終盤の下りで落車し、右大腿骨転子部骨折の診断を受けた伊藤雅和ですが、26日午前中に飯田市内の病院にてボルトを埋め込む手術を受け、無事に終了しました。

今後は現在の病院に2週間ほど入院し、できるだけ早い段階で歩行訓練等のリハビリが開始される予定です。その後は自宅の近くで治療、リハビリに専念します。復帰までに時間がかかると考えられますが、伊藤は諦めずにリハビリを重ねていきますので、引き続き、皆さまの温かいご支援をよろしくお願いします。


伊藤雅和のコメント
南信州ステージの下りで落車してしまい、立ち上がろうとしても立ち上がれなく、これは3年前に左の大腿骨を骨折したときの感覚と一緒だと思いました。病院に搬送され検査を受けると右大腿骨転子部骨折。全く3年前と一緒でした。不幸中の幸いですが、骨は複雑に折れていなくて、ずれてもいなかったです。

今朝、飯田市内の病院で手術を受け、現在は骨を金属で固定しています。ここでの入院は2週間ほどになりそうで、その後は自宅がある鹿児島でしっかり治療していきます。

今年チームを移籍させてもらい、新しいトレーニング、そして前回のケガのリハビリを重ねて、コンディションを上げてきたので非常に残念です。自分の中で、まだまだコンディションは上がりきってはいなくて、あともう少しで完全に良くなりそうという感覚でした。チームも非常に強く、ツアー・オブ・ジャパンでも結果が出ていたので、最後までその一員として走れなかったこと残念に思います。

まずはしっかり精神面を含めて回復させて、次の目標をしっかり定め、身体も元どおり、それ以上になれるように地味なリハビリから怠ることなく取り組んでいきたいと思います。一度経験しているケガなので、復帰までの道のりを考えると途方にくれそうですが、たくさんの方々や仲間たちが激励のメッセージをくれたり、「何か助けれることがあったら言ってほしい」と言ってくれたので、諦めることなく頑張っていきたいと思います。

まずはもう明日からリハビリできそうなので、頑張ります!

OTHER

9月3日開催「嬬恋キャベツヒルクライム」にゲスト参加決定!

2017年04月16日

9月3日(日曜日)に群馬県嬬恋村の万座ハイウェイを使って開催されるサイクリングイベント「嬬恋キャベツヒルクライム」に、NIPPO・ヴィーニファンティーニが昨年に引き続き、ゲスト参加します。

自動車専用道路である万座ハイウェイを特別に閉鎖して行われるヒルクライムレースで、ロングコースは約19.8km、スタート地点からゴール地点までの標高差は約1010m、平均勾配約5.1%とチャレンジングなヒルクライムコースとなっています。また中学生やお子様向けには、約6.2Kmのショートコースも用意されているため、ファミリーでも楽しめるイベントとなっています。

メインイベントとなるヒルクライムレースの前後には、NIPPO・ヴィーニファンティーニが参加するトークショーや抽選会も行われる予定で、プレゼント用にチームグッズも用意しています。また参加賞として、地元特産のキャベツや、キャベツの葉を模したサイクルキャップなども用意されています。

参加選手は現在未定となっていますが(決まり次第ご案内させていただきます)、翌週に開催される「ツール・ド・北海道」の出場メンバーを中心とした複数名が参加する予定で、参加者の皆様とともにロングコースを走行します。
詳細やお申し込みは、大会公式サイトをご覧ください。
皆様のご参加をチーム一同、楽しみにお待ちしています!!!

http://cabe-hill.net/index.html