「ジロは、世界で最も美しい国で行われる最も美しいレース。今年はぜひステージ優勝したい!」
しかし、アルベルト・ベティオールにとっては、単にステージ優勝するだけでは明らかに不十分だった。ここは彼の母国なのだから。彼は、最も印象的な方法で勝利を手にした。
「このようなステージでの勝利は本当に特別なもの。数年前のロンド・ファン・フランデレンのような気分だよ」とベティオールは込み上げる嬉しさのなかで話す。
ベッティオールは、スタート直後に厳しいペースの逃げ集団に加わった。「私たちはまず、逃げ切りを図らなければなかった」。そして監督のマッティ・ブレッシェルは、「ベティオールは、逃げている間にほかのライバルたちを振り落とそうとしていたんだ」と振り返る。
しかし、誰もがストレスを感じる状況のなかで彼は落ち着いていた。まるで、私たちが知らないことを知っているかのように。その後、ベティオールはボトルを片手に走り出し、再びチームカーに戻って少し話をした。
ベティオールを含む逃げ集団は、最終的に集団との差を20分も拡げた。この努力は、昨日のヒュー・カーシーを助けるための献身的な走りを考えると、さらに高い評価に値するもの。なぜか彼の脚からは疲れを感じさせず、出力も高かった。
「チームはとても良い状態で、今日は逃げに入って勝利を目指すという素晴らしい機会に恵まれたんだ」とベティオールは語す。レースが進むにつれ、このイタリア人選手が他の選手たちとは異なるレベルにいることがすぐにわかった。残り10kmでニコラス・ロッシュ(チームDSM)が合流して全力を尽くし、一時はレミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がステージ優勝を果たすのではないかと思われた。
しかし最終的には、ベティオールの献身的な努力が、他の追随を許さなかった。
「喜びとアドレナリンでいっぱいです、彼はとても素晴らしい自転車選手だ!」とブレッシェル監督。
世界レベルのライディングスキルに加えて、ベティオールはチームの中でもユニークな個性を持っている。彼の最も称賛される特徴の一つは(ユーモアのある性格の他に)、常にチームメイトをサポートしていること。今日は彼にとってこれまでで最大のステージ優勝となったが、ベティオールはすでに、次のステージでチームがどのようにヒュー・カーシーをサポートするかを考えていた。
「数時間は勝利の余韻を楽しみ、その後はヒューのことに集中したい」とベティオール。「今日はすべてが計画通りに進んだ。サイクリングでは信じられないほど難しいことだけど、今日はそのような日だった」とブレッシェル監督が話す。
ジロの残りのレースに向けて、完璧な一日を過ごしたチームに祝福を送りたい。
オリジナル記事 https://www.efprocycling.com/giro-ditalia-2021/#18
写真 Getty Images