6月29日にイタリア・フィレンツェで開幕した世界最大のロードレース「ツール・ド・フランス」。第111回目の開催となる今年は、歴史上初めてイタリアでのグランデパールを迎えました。
今大会は開幕後フィレンツェからボローニャ、トリノへとイタリア国内を北上するコース設定でしたが、序盤から起伏に富むステージが多く含まれており、ボローニャにフィニッシュした第2ステージでは、サンルカ聖堂へと駆け上がる登坂フィニッシュが設定され、ここで早くも個人総合優勝を狙う各チームのエースが激しく競い合う結果となりました。
EFエデュケーション・イージーポストは、イタリアチャンピオンのアルベルト・ベッティオールら区間優勝を狙う布陣でスタートしましたが、第2ステージでは、東京五輪ロードレース覇者のリシャル・カラパス(エクアドル)が、各チームの総合エースたちと同タイムでフィニッシュ。続く第3ステージでは、チームワークを活かしてゴールスプリントに挑み、カラパスは区間14位。4選手が個人総合成績同タイムと並ぶなか、各ステージの順位の合計からカラパスが総合成績首位となり、名誉あるツール・ド・フランスのリーダージャージ“マイヨジョーヌ”に袖を通しました。
カラパスはエクアドル人として初めてマイヨジョーヌ獲得、またジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャでもリーダージャージを着用したことがあり、今回で3つのグランツールすべてでリーダージャージを獲得したことになります。
「世界最高峰のレースで、黄色のリーダージャージを身にまとうことは、ツール・ド・フランスへのリスペクトがあるからこその大きな夢なんだ。常にこのために多くの準備をしてきたし、この瞬間を楽しむことはとても大きな意味をもつことなんだ」。
大会は翌第4ステージでイタリアを後にし、主戦場となるフランスへと入り、早くも超級山岳ガリビエ峠を通過しました。カラパスはそこで遅れてしまい、マイヨジョーヌを手放すことになりましたが、大会は7月21日まで3週間にわたって開催されます。走行距離3500kmにおよぶ過酷なレースですが、EFエデュケーション・イージーポストは一つ一つのチャンスを大切に、貪欲に勝利をめざして戦っていきます。