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【ルワンダ山岳賞インタビュー】23歳のマーク・プリッツェンがブレイク「目を醒させられるような感覚」

2月下旬に開催されたアフリカ最大のステージレース「ツール・ド・ルワンダ(UCI2.1)」で第2ステージに逃げに入り、逃げ集団のなかから得意のスプリント力を発揮して、山岳ポイントを多く獲得し、第2ステージを終えて、山岳賞ジャージを獲得したマーク・プリッツェン(南アフリカ)。

マーク・プリッツェン

南アフリカ(Johannesburg)出身
1999年8月11日生まれ(23)
189cm/74.8kg
オールラウンダー

2021年ロード南アフリカチャンピオン。
約190cmの長身選手でパワフルな走りが特長。

https://www.procyclingstats.com/rider/marc-oliver-pritzen

ピュアクライマーではない彼が、ステージを重ねるごとに厳しいくなる山岳プロフィールを前に、最終日までジャージをキープし続けることは難しいだろうと多くの人が考えましたが、そんな周りの予想を覆して、連日果敢に逃げ、山岳賞争いのライバルであるエチオピアやルワンダのクライマーを相手にポイントを獲得し続けました。そして超級山岳山頂にフィニッシュする第7ステージでは、アフリカやヨーロッパ屈指のクライマーたちと競い合い、気迫の走りで区間5位に入る大活躍。そして、最終日には大会を通じての総合敢闘賞を獲得するとともに、山岳ポイント111点、2位に32点の大差をつけて、山岳賞を獲得しました。

連日ラジオツアーから聞こえる彼のゼッケン番号「143」に、チームの垣根を越えて、レース関係者誰もが驚きと賞賛の気持ちを覚えたことは間違いのない事実。こうして大会の主役の一人となったフレッシュな好青年、プリッツェンにレースを振り返ってもらいました。

いいツアーだった。ここに来たときは、まさか自分がこの大会で山岳賞ジャージを獲得できるなんて考えてもいなかった。ステージでいい成績を残すこと、とくに区間優勝することができたなら、大成功だろうなと考えていたんだ。大会が終わって、山岳賞ジャージを獲得できたことは、それ以上の大きな意味をもつ結果になったと思う。とくに厳しい山岳で有名な今大会でのジャージ獲得は本当に素晴らしいこと。リザルトや自分のパフォーマンス、すべてに関して、今大会の結果を嬉しく思っている。

最初にジャージを獲得したときは、正直、こう考えたんだ。「オッケー、明日はこのジャージを着て楽しもう!」なぜなら翌日のステージは獲得標高3500m以上、(クライマーでない自分は)失うのが当然のように思えた。でも、チームカーから監督が励ましてくれ、ジャージをキープすることに大きな意欲が湧いてきた。自分にとってもサプライズだったけれど、さらに次の日もジャージをキープすることができ、監督も「あと何日、キープできるか楽しみだね」なんて言い始めたんだ。

また疲れがたまってくるなかで、第6ステージに今季の自己ベストのパフォーマンスを発揮することができたことも嬉しく思っている。エアコンの効かない部屋や蚊に悩まされるなど、ぐっすり眠ることができない要素がたくさんあって、良い回復を得ることは非常にチャレンジングな状況だったけれど、そのなかでパフォーマンスを上げることができたことは、自分にとって、とても大きなポジティブな収穫になった。

身長も高く、体重も重い。けっして上りに長けているわけではない自分が山岳賞ジャージを獲得できた理由は、もちろん精神面もあったけど、毎日確実にポイントを稼いでいったことが大きかったと思う。またポイント獲得のチャンスがないときは、翌日のステージに向けて、体力を温存することに努めたことも良かったと思う。

今回の経験は、何か、こう、目を醒させられるような感覚を得ている。たとえば、自分がどんな脚質の選手なのか、スプリンター寄りのオールラウンダーだと思っていたけれど、本気で向き合えば上りでも勝負できるということがわかった。メンタル面では、自分で自分を信じることの大切さ、自分を信じれば、思っている以上の結果を得ることができると学んだ。間違いなく自分自身の鍵を外すきっかけになった大会だと思う。この経験は将来に向けて役に立っていくと思う。

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