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ジロ・デ・イタリア第16ステージ ;「待つ価値」のある結果

ほとんどの選手たちは、ジロのクイーンステージ(最難関ステージ)の朝、ホテルのカーテンを開けたとき、雨が振り、悲惨な悪天候に気がつき、笑顔を見せることはありません。しかし、幸いなことに、ヒュー・カーシーはそんな“ほとんど”の選手ではありませんでした。彼の脚はこれからスタートする過酷なステージに向けて準備ができていましたが、レース主催者は同じ条件でカーテンを開き、レースの最高点であるチマコッピを含め、その日のステージから60km近くと2つの山岳をカットすることを選択しました。

しかし、短縮されたステージであっても、英国のクライマーを落胆させませんでした。雨に濡れた路面は決してサイクリストが好むものではありませんが、チームは静かにステージをスタートし、その瞬間を辛抱強く、待っていました。ラクロセッタを越えて、最初のカテゴリー山岳はわずか13 km登り、集団はイタリアの見事な、そして過酷な山々であるドロミテの奥深くに移動しました。


天候は悪化し続けました。時々、雨が激しく降り、テレビの中継ヘリコプターが飛ぶには危険すぎました。それにもかかわらず、カーシーはチームメートたちの献身的な走りに報いるために、その瞬間に賭けました。

容赦ない10kmの登りであるジャウ峠に到着する少し前に、チームの選手たちは集団の最前列で、テンポを上げて逃げとのタイム差を縮めました。その結果、彼らが登りのふもとに到達するまでに、ティージェイ・ヴァンガーデレン、イェンス・クークレール、ジュリアス・ファンデンベルフの仕事のおかげで、集団は粉々になりました。

しかし、まだ満足していないアルベルト・ベッティオルは、サイモン・カーがヒューと一緒に最後のチームメイトになるまでペースを上げ続け、ライバルを落とし、後続集団からのタイムギャップをさらに奪います。チームメートたちの献身的な走りのおかげで、ヒューは山頂を5位通過し、ごくわずかな選手に絞られた小集団にジョイン。これは彼が一日中待っていた瞬間でした。

高速ダウンヒルのヘアピンコーナーを危なげなく通過し、ヒューはコルティナ・ダンブレッツォのフィニッシュラインに向かう最終盤も積極的に走りました。これが個人総合成績をジャンプアップさせる絶好のチャンスであることに気づいたからです。そして彼がフィニッシュラインを越えたとき、個人総合成績は2ランク上がり3位となり、チームの作戦は成功。

これこそが、自分たちにとっての「待つ価値」のある結果でした。

オリジナル記事 https://www.efprocycling.com/giro-ditalia-2021/#16
📸 Gruber Images

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